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k.バス等アクセス施設の位置あるいは方向
3)ターミナル駅のような大規模な駅の場合、列車を降りホームから移動してきた利用者は方向感覚を失っていることが考えられる。
座標軸を得られれば、方向感覚を回復することができる。
4)改札口付近で求められる出場系・のりかえ系動線上の、異常時系の情報内容には、次の種類などがある。
a.のりかえ鉄道の異常の発生状況
b.アクセス交通や街中の異常の発生状況
c.異常の発生に伴う行動規制
5)のりかえ鉄道やアクセス交通、街中で起きている異常について、改札口付近から移動を開始する前に、その情報を知ることができれば、次の行動を判断することができる。

 

2.現状への評価
1)調査駅の改札口付近(出場系・のりかえ系動線)のうち東西自由通路では、写真のような吊下型サインと自立型サインで表示が行われている。
タイプCは改札出口先の正面の天井に、またタイプDは改札入口脇の壁面に設置されている。
2)タイプCの情報内容は「駅出入口の方向指示」「のりかえ鉄道の方向指示」「アクセス交通施設の方向指示」「駅周辺施設の方向指示」「行政サービス施設の方向指示」等である。
3)タイプDの情報内容は、上記に加えて「複合商業施設の方向指示」と、約2?q四方の駅周辺案内図である。
4)表示されている情報内容は、同じターミナル駅内にある他社の営業施設・サービス施設を除いて、前述した「求められる情報内容」を概ね満足している。
5)情報表現する空間的な位置について、次のような問題点がある。
a.タイプCでは、改札機通過時は眼を手元に向けるのが普通だから、見逃してしまいがちである。
b.同、利用者流動の激しい箇所で、立ち止まって読み取ることが難しい。
c.タイプDでは、当該鉄道利用者の場合、改札出口から離れていて、動線方向と表示面が対面していないから、発見しづらい。
d.同、調査駅のラチ外コンコースで設置されている駅周辺案内図は、ここ1ヶ所である。
ここで確認できても、人混みの中を移動しているうちにわからなくなってしまう恐れがある。
6)情報の表現方法について、次のような問題点がある。
a.「のりかえ鉄道改札口の方向指示」の文字の大きさが、他の数多い情報と同列なため、まぎれて「のりかえ動線」が浮かび上がっていない。
7)改札口を出た付近は、出場系・のりかえ系の移動開始点とみなすことができる。
移動開始点で、構内にある諸施設や街中の諸施設の位置あるいは方向に関する全体的な情

 

 

 

 

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